本とCDの日々(仮)
2008/07/09

TITLE:「 分福茶釜 

細野晴臣分福茶釜分福茶釜
(2008/06/03)
細野 晴臣、鈴木 惣一朗

商品詳細を見る


これは細野さんと鈴木惣一朗氏との対談というのかな。要するに鈴木氏が細野さんにいろいろインタビュー形式で聞いていくという、何だか何度も見たことのあるようなタイプの本だ。それにしても細野さんの仙人めいた達観した語り口調、あるいは正体不明のつかみどころのなさはいつも通りなのだが、普段はなかなか聞けない家族の話など生々しいところまで聞き出しているのは鈴木氏の功績か。中でもマッチョな音楽の流行に対する反動から、あえて「女性性」を前面に出したSketch Showを始めたという話が興味深い。個人的にエレクトロニカと呼ばれるジャンルは、嫌いではないのだがどことなく去勢された音楽のような印象もあって今ひとつ夢中になれないものを感じてもいるのだ。別にマッチョな音楽が好きというわけでもないのだが、やはり時にはずっしりと腹にこたえる音を聴きたいよなと思うのは、21世紀的な音楽の聴き方ではないのかしら。別にマッチョな音楽だけが聴きごたえのあるものというわけでもないのだが。それから表現の仕方として、そのままコピーするのも楽しい、という話にちょっと感動した。「オレがオレが」的な自己主張ばかりが表現じゃないってね。細野さんならではの含蓄のある御言葉。人との関わり合いに疲れた一日の終わりに、パラパラと読んでみると癒されるかも。

2008/07/07

TITLE:「 floating pupa 

floating pupafloating pupa
(2008/07/02)
pupa

商品詳細を見る


知世ちゃんのコスチュームだけユキヒロさんじゃなくて旦那さんのデザインなのか。NHKで放送されたドライブ特番やライブでも思ったが、40歳を過ぎて色気とは全く無縁でありながら他にはない清潔な立ち位置を獲得していることがすばらしいと思う。こんなきれいな年のとり方もあるんですよ。往年のアイドルが話題作りのために安易にヌードになったりしてガッカリさせられることの多い昨今(いや裸にガッカリするという意味じゃなくて)、ずっとファンでいたことが嬉しくなるような貴重な存在。

で、肝心の音の方は、まあメンバーの顔ぶれから想像出来る通りの音ではあるが、個人的にこの手のエレクトロニカな音にちょっと食傷気味ではある。気持ち良く聴けるとは思うのだが。それにMySpaceとかで事前に情報流し過ぎな気も。まあメンバーの豪華さを考えればパーマネントなユニット(やはりバンドというよりユニットよね)にはなり得ないと思うのだが、次はライブを経てよりフィジカルなエレクトロニカに進化(退化?)した音が聴けると嬉しいと思う。

2008/06/29

TITLE:「 少年歳時記 

少年歳時記少年歳時記
(2008/06/25)
あがた森魚

商品詳細を見る


1993年にCDブックとして発売されたものらしいが申し訳ないことにその存在を全然知らなかったよ。93年といえば「イミテーション・ゴールド」が発売された年だからリアルタイムであがたさん追いかけていた頃だったはずなんだがな。しかも鈴木“World Standard”惣一朗率いるエヴリシング・プレイとのコラボときたら個人的に食指が動かぬはずがないのだが。谷内六郎の絵をモチーフにいつものあがた森魚的昭和のかおり漂うエレクトリックかつフォーキーな世界。これでハズれるはずがない。中でも透明感が尋常でない「夏の翼」には胸が熱くなります。そういえば珊瑚キャンペーンの特典DVDまだ来ないな。

それからこれまで断片的にしか聴いたことのなかったHirth Martinezをちゃんと聴いてみようと思って「Hirth From Earth」を買ったのだが、デジタルリマスタリングのせいか音が異様にクリアで腰を抜かしました。1975年の作品とはにわかには信じられない。残念ながらオリジナル盤の音を知らないのでどれだけ変わったのか分からないが、これは今年の新譜と言っても通用する音だろうと思うよ。中身も素晴らしい。プロデュースはRobbie Robertson、さすが。


2008/06/28

TITLE:「 Summerin' 

Summerin'Summerin'
(2008/06/25)
土岐麻子

商品詳細を見る


個人的に前作「TALKIN'」のジャケ写以来、土岐さんのビジュアルに参っているのだ。このミニアルバムもまあ土岐さんの写真のかわいらしいこと。この勢いで写真集なんか出されたら買ってしまいそう。いやホントに。で、肝心の中身もタイトル通りの軽やかで涼しい夏向きポップ。オリジナル2曲とカバー5曲。カバーは真心ブラザーズの「サマーヌード」、松田聖子「小麦色のマーメイド(選曲がしぶい)」、フォー・トップスの「Reach Out,I'll be There」、そしてちょっと意外なマドンナ「La Isla bonita(伊藤ゴロー編曲)」に大貫妙子「都会」と、申し分のない選曲。見て良し、聴いて良し。これで2000円弱はお買い得。誰に勧めるわけでもないが超オススメの1枚です。

2008/06/27

TITLE:「 地球のはぐれ方 

地球のはぐれ方―東京するめクラブ (文春文庫 (む5-8))地球のはぐれ方―東京するめクラブ
(2008/05/09)
村上春樹、吉本由美、都築響一

商品詳細を見る


吉本由実も都築響一も決して下手な文章書きではないと思うのだが、村上春樹の文章の圧倒的な読み易さの前では色あせて見えるようであるから、共著は損である。と言うかこんなハワイや熱海といったいかにも俗な場所についての文章を書いても、村上春樹的なムードはいささかも損なわれないから改めてすごいと思った。完成された文体は書く材料を選ばないということか。まあ本書で紹介されている場所で個人的に興味を惹かれるのはサハリンくらいで、他は想定内というかその土地について特に新味のある紹介がなされているわけでもない。それにしても都築さんの容貌魁偉ぶりは、北方「水滸伝」実写化の際には魯智深役にぜひ抜擢してほしいものだ。「ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行」や「TOKYO STYLE」大好きです。筑摩書房様、「珍世界紀行」も文庫化して下さい。

2008/06/26

TITLE:「 AROUND THE WORLD 

アラウンド・ザ・ワールドアラウンド・ザ・ワールド
(2008/04/23)
セニョール・ココナッツ・アンド・ヒズ・オーケストラ

商品詳細を見る


Telex好きとしてはやはり「Moscow Discow」のカバーが嬉しい。頭から汽笛が出そう。他にもユーリズミックスの「Sweet Dreams」やプリンスの「Kiss」といった超メジャーな曲のカバーもあり、これ聴いた殿下本人はどういう感想を抱くのか聞いてみたい気がする。いずれにしろチャチャチャとマンボとルンバの違いもよく分からない非ラテン系の私でもなごまずにいられない納涼脱力系のサウンド。日本盤のみのボーナス・トラックとしてYMOのメドレーMIX収録。その辺りの的を外さない目配りもありがたい。