本とCDの日々(仮)
個人的に気に入った本や気に入らなかった本や時にCDやDVDの感想を書いたり書かなかったり。
2008/08/03
TITLE:「 風雲児たち 幕末編13 」
![]() | 風雲児たち 幕末編 13 (13) (SPコミックス) (2008/07) みなもと 太郎 商品詳細を見る |
幕末編も早や13巻目、近藤勇や土方歳三も登場していよいよ本格的に幕末の動乱へ突入かと期待したりもするのだが、いやストーリーは相変わらず遅々として進まず、このまま永遠に幕末の空気を楽しみつつ読み続けられればそれはそれで嬉しいとも思う。毎回いろんな人が帯に推薦コメントを寄せているが、「まだ読んでいない方へ。貴方は、ついている。まだ、人生に、こんな楽しい時間が残っている」という今回のコメントは水道橋博士によるもの。そう言えば水道橋博士つながりというわけでもないが、リアルお茶ノ水博士がカバーの「PLUTO 6」、ストーリーがどんどん迷宮に入って錯綜していく感じが、「MONSTER」に似てきたな。
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2008/07/15
TITLE:「 鈴木先生5 」
![]() | 鈴木先生 5 (5) (アクションコミックス) (2008/07/11) 武富 健治 商品詳細を見る |
もはや改めての紹介も不要なくらい有名になった「鈴木先生」の第5巻。過剰な心理描写はますますその度を増し、鈴木先生の眉間の皺の深さと発汗量たるやギャグの域に入り始めている気もするが、そこに描かれているテーマは相変わらず重い。「手のかからない(と思われてる)子供の犠牲の上に現在の教育は成り立っている」なんて、現場で職業として教育に携わる人たちは考えたことがあるだろうか。とりあえずこのマンガの品質に関しては各方面の折り紙つきなので、今回は個人的に難点をいくつか。まず鈴木先生の彼女である麻美さんのスピリチュアル方面の能力は必要か。大槻教授みたいなこと言うけどそういうことが絡むとややシラけるのよなぁ。それと画が少し荒れてないか。後半夏祭りのエピソード、浴衣姿の人がたくさん出てくるせいか画がごちゃごちゃして非常に見辛い。パッと見た印象が汚いと思う。妊娠した麻美さんを紹介される鈴木先生のお母さんの服のトーンが安直。それとこれがいちばん気になったのだが、続木先生はあの人込みの中でどうして山際たちの悪巧みに気付いたのか。後姿だけで挙動不審と決めつけるのはあまりにも不自然。こういう小さなところのリアリティを大切にするマンガだったはずなのだが。あえて連載には目を通さないようにして、単行本にまとまるのを待つようにしているのだが、次巻のテーマがまさか鈴木先生の出来ちゃった婚だったりしたらちょっとガッカリしますよ。
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2008/07/09
TITLE:「 分福茶釜 」
![]() | 分福茶釜 (2008/06/03) 細野 晴臣、鈴木 惣一朗 商品詳細を見る |
これは細野さんと鈴木惣一朗氏との対談というのかな。要するに鈴木氏が細野さんにいろいろインタビュー形式で聞いていくという、何だか何度も見たことのあるようなタイプの本だ。それにしても細野さんの仙人めいた達観した語り口調、あるいは正体不明のつかみどころのなさはいつも通りなのだが、普段はなかなか聞けない家族の話など生々しいところまで聞き出しているのは鈴木氏の功績か。中でもマッチョな音楽の流行に対する反動から、あえて「女性性」を前面に出したSketch Showを始めたという話が興味深い。個人的にエレクトロニカと呼ばれるジャンルは、嫌いではないのだがどことなく去勢された音楽のような印象もあって今ひとつ夢中になれないものを感じてもいるのだ。別にマッチョな音楽が好きというわけでもないのだが、やはり時にはずっしりと腹にこたえる音を聴きたいよなと思うのは、21世紀的な音楽の聴き方ではないのかしら。別にマッチョな音楽だけが聴きごたえのあるものというわけでもないのだが。それから表現の仕方として、そのままコピーするのも楽しい、という話にちょっと感動した。「オレがオレが」的な自己主張ばかりが表現じゃないってね。細野さんならではの含蓄のある御言葉。人との関わり合いに疲れた一日の終わりに、パラパラと読んでみると癒されるかも。
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2008/06/27
TITLE:「 地球のはぐれ方 」
![]() | 地球のはぐれ方―東京するめクラブ (2008/05/09) 村上春樹、吉本由美、都築響一 商品詳細を見る |
吉本由実も都築響一も決して下手な文章書きではないと思うのだが、村上春樹の文章の圧倒的な読み易さの前では色あせて見えるようであるから、共著は損である。と言うかこんなハワイや熱海といったいかにも俗な場所についての文章を書いても、村上春樹的なムードはいささかも損なわれないから改めてすごいと思った。完成された文体は書く材料を選ばないということか。まあ本書で紹介されている場所で個人的に興味を惹かれるのはサハリンくらいで、他は想定内というかその土地について特に新味のある紹介がなされているわけでもない。それにしても都築さんの容貌魁偉ぶりは、北方「水滸伝」実写化の際には魯智深役にぜひ抜擢してほしいものだ。「ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行」や「TOKYO STYLE」大好きです。筑摩書房様、「珍世界紀行」も文庫化して下さい。
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2008/06/12
TITLE:「 万祝10&11 」
10巻を厚めにして全10巻完結の方が圧倒的に収まりが良いのに売らんかなの姿勢で分冊にした講談社商法にうんざり。それとも何か分冊にしなければならないような特別の事情があるのか。せめて薄い薄い最終巻は全頁カラーとかのこだわりがあれば納得もするのに。大昔「日出処の天子」の単行本の最終巻がものすごく薄かったことを思い出した。
物語はどうしても理屈ですべてのストーリーをまとめようとする傾向の強い著者にしては開放感を残したエンディングではあるものの、考えてみればこの最後の二冊はお宝を見つけた後の長い長い後日談とも言えるわけで、やや冗長な印象は拭えない。「ドラゴンヘッド」もそうだったと思うのだが、著者の長編は物語の導入はたまらなく魅力的で面白いのに、最後までそのテンションがなかなか持続しない。同じストーリーを半分ぐらいの長さでまとめれば、充実するのではないかと思うのだがどうか。
萩尾望都の「あぶな坂HOTEL」を購入。萩尾望都にハズレなし。短編連作を書かせたら著者の独壇場。中でも「女の一生」と題されたエピソードに涙。こういう話に無条件に弱いのな。山岸涼子「牧神の午後」もうっかり買ってしまったが、これは「舞姫(テレプシコーラ)」の便乗本だった。古い単行本が入手しにくくなっているから仕方がないことかもしれないが、オールドファンとしては同じ短編を何度も収録するのやめてほしい。短編集は収録作を確認してから購入すべきなのだろうが、もはやタイトルだけでは既読かどうか分からないことが多いのよなぁ。
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