本とCDの日々(仮)
2006/05/26

TITLE:「 カッコーの娘たち 

カッコーの娘たち カッコーの娘たち
樹村 みのり (2006/05/23)
朝日ソノラマ
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「托卵」というコトバは知らなくても,ある種の鳥には,他の鳥の巣に自分の卵を産みつけ,その巣の親に自分のヒナを育てさせるという性質(たち)の悪いものがいるという話は聞いたことがあると思う。その代表がカッコウだ。あの「静かな湖畔の森のかげからもう起きちゃいかが」と鳴くお節介な鳥。

表題作は,事情があって母親が子供の面倒をみることが出来なくなりそれぞれ違う親戚の家に引き取られた3人の姉妹の物語。幼い頃から母親と離れて暮していたせいで,また引き取られた先の事情もそれぞれ違うので,3人は「愛されること」「愛されないこと」に敏感な人間に育つ。子育てを放棄せざるを得なかった母親を大人になった姉妹が許す,という最後は無難なストーリーだが,ストーリーよりもエピソードのひとつひとつを,読んで泣ける人となら絶対友達になれる,と確信するくらい何というか分からない人には分からないマンガ。感性が鋭いとか,考え方が正しいとかそういうレベルの話ではなくて,このタイプの話が全然琴線にふれない人って,必ずいる。だからそれが是か非かは別にしてね。

他にも収録作の「40-0」や「晴れの日・雨の日・曇りの日」を読むと 子どもの人格を尊重し得ない大人は,大人である資格がないと切に思う。文庫です。安いです。買って,読んで下さい。大切な一冊になります。朝日ソノラマ様,前にも書いたけど文庫版「樹村みのり全集」,企画して下さい。

ちなみに,「托卵」されたカッコウのヒナは,その巣の本来の持ち主である卵よりも先に孵化し,本来の卵を巣の外に放り出してしまい自分だけを育てさせる,らしい。どこまでも性質の悪い鳥である。

書庫から古い講談社版引っ張り出して奥付け見たら,昭和54年3月第一刷。27年前?・・・。今回の文庫とは表題作と「40-0」のみが同じ。

2006/05/20

TITLE:「 東京タワー 

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~


リリーさんと故ナンシー関との対談「小さなスナック」に収められていたナンシー関に捧げる追悼文が,テレビなどでは知り得ないリリーさんの人柄を感じさせるものだったこと。リリーさんが本上まなみのファンであると広言していたこと(個人的に,本上まなみとあがた森魚のファンに悪人はいないと思っている)。それにこれはリリーさんの功績なのかどうか分からないが,「おでんくん」の声に本上さんを抜擢するなんて,なかなかできることじゃないですよ。

ということで,元々リリーさんには好感を持っていたので,処女小説集である「ボロボロになった人へ」も買って読んだ。傑作!と声を大にしてふれ回るほどではないにしろ,リリーさんならではのシニカルな視点の,なかなかな短編集だった。それで,本書も書店で見かけて買っておいたのだが,いつものクセでしばらく寝かせといたら,びっくりその間に本屋大賞とか獲っちゃって,今やすっかりベストセラーですよ。ベストセラーである現状と言うか現象と言うか,それを無視して,純粋に本書の中身について語るということは大変難しいのですが,私は本書を読んで単純に,号泣しました。

これって100%自伝なんですかね?とにかく良いのはリリーさんが自分の母親が好きだということを一切隠さずに書いているところ。友達や彼女に対して自分の母親を紹介するのに何の照れもなく母親が正しいと言い切ってしまえるところ。腹が立つのは,そんな母親に対して若かりしリリーさんがとことん親不孝なところ。お母さんに迷惑かけすぎ。甘えすぎ。もっとしっかりしろよと言いたくなるが,でもそんな関係があればこそ後半のエピソードひとつひとつが泣かせるんだろう。

これから読む人もいると思うので,あまり書きませんが,リリーさん渾身の,涙が止まらないページがあります。そう思うのは多分私だけじゃないはず。それから親戚一同でハワイ旅行に行った折,割り箸を洗って持って帰ろうとするおばさんを添乗員の息子(リリーさんの従兄弟)が叱るシーンがある。質素倹約が美徳であった時代を生きた人の気持ちも分かる。それをみっともない貧乏臭いと感じる若い息子の気持ちも分かる。こういうエピソードをさらりと書いてしまえるところに,リリーさんの底知れぬ才能を一瞬感じることができる。

とにかく大推薦です。文章が上手いとは言えませんが,それを補って余りあるリリーさんの熱さに圧倒されます。日本中の母親の息子たちに読んで欲しいです。

2006/05/19

TITLE:「 壊れかた指南 

壊れかた指南
壊れかた指南
筒井 康隆 (2006/04/26)
文藝春秋

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銀齢の果て」からそういくらも経ってないのにもう筒井さんの新刊が読めるなんて。しかも本領発揮の短編集。長編でも本領発揮って多分言うけど。

完全に自らの夢を脚色したと思われる混沌とした小説集。既に設定やら段取りやら小説の約束ごとを無視した近年の作品になってやたらと文学賞を受賞してるのも何だか皮肉な話だが,個人的にはもう20年くらい前になるのか「串刺し教授」所収の「きつねのお浜」を大笑いして読んだときに,筒井作品を自分の分かり易いジャンルにカテゴライズして,後追いの物知り顔の批評めいたことを口にするのは一切止めようと誓ったのである。これは既に気○○イか天才の仕業であり,新刊で読める限り我々一般人はただ阿呆の如く貪り読めばよいのであるという結論に到ったのである。例え著者じしんにより「脳なしの能なしの悩なし」と罵倒されようとも。

というわけで口幅ったい偉そうなことは言いません。買いましょう。横尾忠則氏の混沌を絵に描いたような絵による装幀もステキです。読みましょう。思想や信条や道徳や社会的身分を越えて,言語・活字によって構築された虚構の海に溺れる快楽を味わいましょう。一緒に。さあ。

2006/05/15

TITLE:「 映画検定公式問題集 

映画検定公式問題集―2級・3級・4級全300問
映画検定公式問題集―2級・3級・4級全300問
キネマ旬報映画総合研究所 (2006/04)
キネマ旬報社

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受検する気は全くないのだが,ついつい買ってしまった1冊。映画検定の是非を云々するわけではなくて,単に時間がないのだ。今後は(続くとしたら),各都道府県で簡単に気軽に受検できるようにしてほしいものである。地方にも平等に機会を!

ということで,こういう問題が出るかもよ,というサンプル集です。特に気に入った,と言うかいかにもな問題をいくつか紹介します。

4級/どれも初歩い問題で,あんまりいいのがないけど,強いて挙げればこれか。
問22 次の監督の作品を選びなさい 中田秀夫
(ア)「リング0〜バースデイ〜」 (イ)「リング」 (ウ)「らせん」 (エ)「呪怨」
★解答→どれでも。大差なし。

3級/笑える問題多し。傑作は,
問51 次のうち,西部劇ではない作品を選びなさい。
(ア)「ロンサム・カウボーイズ」  (イ)「真夜中のカーボーイ」  (ウ)「さすらいのカウボーイ」  (エ)「11人のカウボーイ」
★解答→知らなくても「カーボーイ」って答えるよな。

2級/さすがに問題がシブイです。
問82 1958年,自作の小説の映画化に際し,自ら監督しようとして,会社の助監督たちに反対された小説家を選びなさい。
(ア)三島由紀夫 (イ)石原慎太郎 (ウ)大江健三郎 (エ)開高健
★解答→そんなキャラ都知事しかいないって。三島って答もありか?

どうですか。マニアの皆さん,ぜひ挑戦したくなるでしょ?薀蓄の競争ほどマニアにとって楽しいことってないもんね。私も読んでて,これ誰かクイズ形式で出題してくれないかな,と思ったりしたですよ。いずれにしろ映画が大衆の娯楽の王様だった時代は遠い昔。この検定が一部のマニアを喜ばせるだけのものに終らないといいのですが。とまとめてみたりして。

2006/05/13

TITLE:「 豚を盗む 

豚を盗む
豚を盗む
佐藤 正午 (2005/02)
岩波書店

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とりわけ佐藤正午の熱心な読者というわけではない。つまり単行本を買って読むほどではないが,文庫を書店で見かけたら一応買っておき,時間があったら読んでみる,という程度の読者でしかない。ところが,岩波書店から出ている「ありのすさび」,「象を洗う」と本書の3冊は単行本の段階で買っている。別に岩波はなかなか文庫にならないからとか,そういうわけではなくて,本当に何となく買った。佐藤正午という作家にはもともと信頼を置いているし,何より本そのものの装幀が美しいし手触りも良くこざっぱりとしてる。あえて言えばそんな理由で買ったのかもしれない。本書の奥付けを見ると第一刷で2005年2月になってるから,買ってから読み終わるまでに1年以上かかってる,というわけではなくて,ここ何年かの間に3冊をじっくり読んでいたわけだ。

寝る前の布団の中というのは,恐らく多くの読書家にとってにとって最高の読書環境のひとつではないかと想像するが,例えば夢中になって読み進めている本を読んで,明日も早いからそろそろ寝ようかという時に,このエッセイを1編(ほんの2〜3ページだ)読む。そして寝る。そういう読み方をしていたわけだ。このエッセイ集には,そういう読み方が似合う,と思う。

特にドラマティックなことが書いてあるわけではない。作家の日常や考えたことなどが,淡々と綴られているだけ。その気負いのなさが,一日を終えて眠る前に,その日のできごとや感情をリセットするのに有効だったということだろうか。

本書には,短い書評がいくつか収録されている(佐藤正午に書評というのは,いちばん似つかわしくない行為のような気が,個人的にはするのだが)。その中で,谷村志穂「なんて遠い海」の評が,佐藤正午という作家の,小説を書く上でのこだわりの一端が垣間見えて面白かった。考えてみたら,毎日佐藤正午のエッセイを,少しずつなめるように読んでいる,というのは,熱心な読者だと自称しても罰は当たらないんじゃないか?という気も少しするな。

2006/05/11

TITLE:「 休暇小屋 

休暇小屋(初回限定盤)(DVD付)
休暇小屋(初回限定盤)(DVD付)
遊佐未森 (2006/05/10)
ヤマハミュージックコミュニケーションズ

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ブーゲンビリア」からおよそ3年ぶりのニューアルバム。今調べてみたら,デビューの「瞳水晶」が1988年だからもう大ベテランですね。それなのに未だ知る人ぞ知る存在というか(失礼),大御所然としていないところが素晴らしい。失礼ついでに言うけど,声の伸びとか,やはり若い頃 (10年ほど前の「アルヒハレノヒ」「アカシア」「roka」あたりがピークだったと思う)に比べると,多少苦しいかなという気もします。ただそれを補ってあまりある清潔感,心地よさがあり,何より偉大なのは変わらない世界があるということです。誰がアレンジしようが何処で録音しようが,芯にあるものはこの20年近く少しも変わらない。これって,商業音楽(って言い方今どきしますかね?)においてすごいことだと思いませんか。

言い方を変えれば,やりたくない仕事はやってこなかった, という強固なプライドを感じるのです。もちろん20年近く第一線にいるからには,これまでにいろいろ不本意な仕事も少なからずあったと思うのよ。しかし完成した作品にそういう個人の葛藤を微塵も感じさせず, 相変わらずの味をお客様に提供する。これぞ職人。いい意味でのマンネリズム。私は彼女の新作を聴く度にいつもそういうことを考えます。

だから彼女の新作を聴いて,これ傑作!と絶賛することはないが(相当失礼だよね),CDを買って裏切られた,という気になったことは一度もありません。安心の遊佐未森ブランド。汚いものは決して見せません。今回は久々の紙ジャケで,手触りやら美しい写真の色やらこだわりの歌詞カードやら,CDってトータルで一つの作品なんですよね, としみじみさせてくれます。ジャケ写なんて,ポスターにして部屋に飾りたくなるほど,未森ねえさん颯爽としてますよ。

悪いけど,生活感なんて一切感じさせません。そして安い仕事はいたしませんよというプライド。彼女の音楽からそういうことを感じるのは,もしかしたら彼女にとって本意ではないのかもしれないが,やはり私が感じるのはそういうことなのです。

2006/05/10

TITLE:「 ダ・ヴィンチ・コード 

ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダン・ブラウン (2006/03/10)
角川書店

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文庫になったということで,書店に行く度に視界には入っていた。しかしまあ,おれには無関係な書物であるよなぁとくらいにしか思っていなかったのだが,ふと何の気の迷いか上巻を手にしてしまったんですね,これが。するとあらかじめ映画化を想定して書いたとしか思えないくらいのあざとい展開で,サクサク読めちゃうんですよ。逆に映画のノベライゼーションかと思うほど。結局上中下と一気読み。

とにかく一つのチャプターが短い。頭の中には大量宣伝のおかげか既にトム・ハンクスやらジャン・レノやらオドレイ"アメリ"トトゥらのイメージがあるし,映画のカットバックもかくやというほどの目まぐるしい展開。謎が謎を呼び,登場人物たちの運命はいかにって,いや率直に言って安い筋書きなんですけどね。面白くないとは言わないし,読む時間が無駄とも思わないけど,ここに書かれていることのどこまでが真実でどこまでがフィクションかという,最低限の予備知識がないとキリスト教に明るくない私などは,全部信じてしまいそうです。

まあ話半分に聞くにしても,ふんだんに登場するキリスト教史についての薀蓄は面白いし,それだけで退屈はしないのだが,暗号解読のヒントとか,巻を追うごとにだんだん安易になってるような気が・・・。風呂敷拡げるだけ拡げといて,オチの持っていき方も,結局アメリカ映画的なのよ。要はハンクスとアメリが,ってことね。

これ読んで,未見だったスコセッシの「最後の誘惑」とメル・ギブソンの「パッション」をぜひ観てみたいと思ったので,それなりに感じるところはあったと思うんだけど。いずれにしろおれがこの種の本につい手を出してしまうんだから,コンビニに文庫本置くことの効果は確かにあるわけだよ。

2006/05/09

TITLE:「 「ケロロ軍曹」オリジナルサウンドケロック3 

テレビ東京系アニメーション「ケロロ軍曹」オリジナルサウンドケロック3 テレビ東京系アニメーション「ケロロ軍曹」オリジナルサウンドケロック3
TVサントラ (2006/04/21)
ビクターエンタテインメント
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「ケロロ軍曹」オリジナルサウンドケロックの第3弾であります。ケロックて・・。もう慣れたけど。 あれは2004年でしたか,それまで15年近く表立った活動をしていなかった鈴木さえ子さんがアニメのサントラを手がけたらしい,という情報をキャッチし,「ケロロ軍曹」というタイトルに一抹の不安を感じつつも購入した1枚目。これがもうあなた,鈴木さえ子健在を世間にアピールするのに充分すぎるほどの大傑作だったわけさ。ポップってこういうことよね?ね?と道を行き交う人の肩をつかんで揺さぶって瞳うるうるさせながら語りかけたくなるほどの,快作だったんです。

ヴォーカルはさえ子さんじゃなかったけど,収録曲「恋するシューティング☆スター」なんて,これぞ鈴木さえ子,明るいのに切ない,正しいガールポップだったんですね。ここが肝心なところで,POPというのは底抜けに明るいだけじゃ不充分で,そこに何がしかの甘酸っぱい切なさみたいなものがないとダメなんですよ。

その後,去年の2枚目,そして今回が3枚目。1年に1枚というまるでオリジナルアルバムのようなペースで順調にリリース。「ケロロ軍曹」様々ですよ。オリジナルサウンドケロックという腰の砕けそうなセンスにも充分慣れました。今じゃいいセンスしてるじゃんくらい思ってますよ(ウソです)。

ということで,機は熟したと言っていいんじゃないでしょうか。鈴木さえ子名義の,オリジナルを出して下さい。お願いします。今amazonで入手可能なアルバムは,「スタジオ・ロマンチスト」と「ザ・ベリー・ベスト・オブ・鈴木さえ子」,2000年にリイシューされた「I WISH IT COULD BE CHRISTMAS EVERYDAY」ぐらいみたいですよ。「Visinda og Leyndardomur(科学と神秘)」はもう品切れなの?「緑の法則」はもはや入手困難らしい。聴けるものを今すぐ聴いて下さい。「I WISH〜」の「アメリカのELECTRICITY CO.」は思わず手が止まる名曲です。アメリカの電気会社に勤めてみたい。とにかくさえ子さんをシーンに復帰させてくれて,「ケロロ軍曹」ありがとう。まだアニメは1回も観たことないんだけどさ。

2006/05/06

TITLE:「 PEARL JAM 

パール・ジャム
パール・ジャム
パール・ジャム (2006/05/24)
BMG JAPAN

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バンド名をアルバムタイトルにしたことで,おそらく今後は「アヴォカド」とか呼ばれることになりそうなジャケ写のパール・ジャムの新作。もう文字通り今を体現できるロックバンドの世界最高峰なんじゃないかね。向かうところ敵なし。個人的にも「No Code」以降のPJは完全に肯定。

エディ・ヴェダーってインタビューとか読むと,気合入りすぎというか時に理に勝ちすぎて,と言うか必要以上に理論武装してそうで,それが純粋に音を楽しめない障壁になったりすることがあったけど,今や世界一の余裕からか,どんどん音が無邪気になってる気がするね。カート・コバーンがもし生きてても,NIRVANAが今のPJみたいになり得たとは誰も思わないでしょう。そうしようとも思わないだろうし。やっぱりPJがここまで巨大になったのはエディの才覚なんだろうな。

U2とかストーンズのように名人芸みたいな域に行かずに,現場で音を鳴らせるロックバンドでいつまでもいられるはずはないと思うが,やはりできるだけ長く無邪気で(例えふりでもね)いてほしいバンドのひとつである。よく日本では不当に評価が低いという記事を目にするので(そうなんですか?),皆さん聴いて下さい。
2006/05/05

TITLE:「 6 keys to Surf Jazz 

6 keys to Surf Jazz 6 keys to Surf Jazz
白井良明プロジェクト (2006/04/19)
3Dシステム
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我らがムーンライダーズのギター番長,白井良明さんの10年ぶりプロジェクト復活のライブ盤ですね。ベースは元マルコシアス・バンプ(イカ天世代には超懐かしい名前)の佐藤研二氏,ゲストヴォーカルは元シンバルズの土岐麻子嬢,ホーンはスカパラから北原雅彦氏etc・・・。

音はSurfです。でもJazzです。聴いてるといつのまにか和みます。私は,寝てしまいます。しかし和んでるだけじゃ物足りない。前作の頃は「パルプ・フィクション」景気でSurf Rockは全然OKだったんですが,Jazzとなると,個人的には若干消化不良な感じは否めないんですよ。前作にも収録されてた「渚でニトロ」みたいに,もっとギターをギュインギュインと弾いて欲しいです。10年前の第1作「SURF TRIP」も再発されたみたいです。商売上手。

私が初めて買ったCDは良明さんのファースト・ソロ「City Of Love」でした。だってどこのレンタルにもなかったですよ。まだCDが普通に3200円とか3500円とかしてた,遠い昔の時代のお話です。
2006/05/04

TITLE:「 パシパエーの宴 

パシパエーの宴 パシパエーの宴
とり みき (2006/02)
チクマ秀版社
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さすがに1600円はちょっと高いのではないかと。LEGEND ARCHIVESということで,埋もれた名作を再刊するという企画らしい。それでコストかかるのかもしれないけど,とり・みき本人は伝説扱いで良いのかか?まだバリバリの現役なのに。とりあえず本書と併せて「山の音」「トマソンの罠」の3冊が出てます。他の2冊は原版で持ってますので,この「パシパエー」のみ購入(それにしても「山の音」の表紙ってものすごく怖くないか)。

「パシパエー」って何かということを説明すると,うーん,ネタバレになる。でも小松左京の例の小説読んだ人なら誰もが,じゃあそいつはどうやって産まれたの?という疑問を抱くと思うけど,その回答がここに,何と言うか,あるおぞましい形であります。誰もが想像しかけるけど,慌てて自粛してたような。

とりさんってすっかり都市伝説っていうか伝奇ものというか,こういうシリアスなマンガ描く人になってしまったんだよなぁとか思っていると,「冷蔵庫人間第1号」続く「金玉人間第1号」でちゃんと笑わせてくれます。いや「冷蔵庫」はどちらかというとホラーなんだけど「金玉」と並べられるとギャグになっちゃうね。巻末書き下ろしの「鏡地獄」なんて絶対明智小五郎がそのうちギャグ言うと思って読んじゃうもんね。 でも例えば「クルクルくりん」とか読んでとりさん面白いと思った子供が,この表題作なんか読んだら絶対トラウマになるよな。カラオケ嫌いの同輩には「カラオケボックス」がお薦め。コロッケ業界からクレーム来そうな「宇宙麺」も面白い。

2006/05/03

TITLE:「 GIRLIC REPLICA 


GIRLIC REPLICA / タイツ

こんなCDいつ出てたの?あの頃って今みたいにネットで簡単にオーダーってわけにいかなくて,本気で探し求めないと聴けない音源ってたくさんあったんだよなぁ。タイツもその代表で実はこのCDで初めて音を聴きました。全39曲,至福の約160分,クールでポップでシニカルで良い意味でチープ。これで税込み3150円はホントにチープ,安すぎです。でもタイツって解散したの1998年なの?最近じゃん。積極的に聴こうとしていなかった自分に腹が立ちますね。それにしてもこれが80年代の音で,ママラグが2006年の音っていうのも,何だかもう音楽の時系列がよく分からなくなるよな。イイものは時を越えてイイってことですか?

とにかくこうやって80年代の音が当たり前に聴ける今って幸せですよね。ハルメンズシネマフィルムスポータブル・ロックも普通にCDで聴ける。ってポタロクは元々CDだったかな。ZELDAのファーストが聴きたくて仕方がなかったあの頃の自分が不憫になる。年を取って良いことは欲しいと思ったCDや本を普通に買えてしまうことだが,昔は苦労して手に入れた音源をそれこそなめるように聴いたものです。今は簡単に手に入る分,1回聴いてそれきりというCDが山のようにある・・。

他にあの頃の音源でCDで再発して欲しいものは,「ガラスの国境(矢野由美)」とか「青のないパレット(徳丸純子)」といったアイドルものの他に,かしぶち哲郎プロデュースの梓みちよとか坂本龍一がやった加藤登紀子とかまだまだたくさんあるよな。ユキヒロの中原理恵とか。門あさ美はiTunesで買った。あと大空はるみもあるね。チロリンも再発を!死ぬまでには全部手に入るのかなぁ。

2006/05/02

TITLE:「 MAMALAID RAG2 

MAMALAID RAG2 MAMALAID RAG2
MAMALAID RAG (2006/04/26)
ソニーミュージックエンタテインメント
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CMで初めて「そばにいたい」を耳にしたとき,ママラグだということは声ですぐ分かったが,第一印象としてあらら随分ポップな売れ線の曲書いたんだな〜,何か吹っ切れたのかしら,と思った。

それでCD買ったら何とベース江口氏の作詞作曲で,げー,田中氏のワンマンバンドかと思ってたらこんないい曲書く人がいるんじゃん!と驚いたことがあった。そして満を持してのアルバム第2作,江口氏は「そばにいたい」のほかに「菜の花」というこれまたキラキラしたかわいらしい曲を書いてる。もしかして単に私が知らなかっただけかもしれないが,この江口氏のポップセンスこそ実はママラグの魅力の,渋さだけじゃないsomethingになってるんじゃないか?ヴォーカルはちょっと弱いけど。

シングル既発曲が多いのであまり新味はないが,ファースト同様,いわゆるオーガニックな音を自然に上品に丁寧に聞かせてくれます。マスに受け入れられるかどうかだけが心配ですが。でも多分これが2006年の最先端ですよ。ファーストがあまりに良かっただけに期待も大きかったのですが,それを裏切らない,快作とまでは言わないが佳作。くり返すが新曲がもう少し多かったら文句なかった。でもぜひ皆さん聴いて下さい。

2006/05/01

TITLE:「 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる 

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫 (2006/02/07)
筑摩書房
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最近Web2.0というコトバをよく見るので,Webは分かるけど2.0って何?1.0ってあったの?ということでインプレスジャパンの「Web2.0 BOOK」を手に取ったは良かったがよく分からないので,本書をまず読むことにした。すごいよ。何がすごいって書店の平積みが。そんなにみんなWeb2.0って何か知りたいのか?

しかし本書は教科書みたいな「Web2.0 BOOK」とは対称的にものすごく熱い本でした。この手のタイプには珍しく作者が熱に浮かされたような感じで書いてるから(褒めてるんですよ),完全に理解できなくても(いやとても分かり易いんだけど),何だかすいすい読み進みます。

「インターネットの意思」っていいコトバ。インターネットの意思を尊重して世界的規模で行われる知の再編成。今までネットのこちら側で何の自覚もなく傍観してた私のような人間でも,何だか興奮しますよ。googleって単なる検索エンジンじゃないんですね。考えてみたら自分のパソコン所有して無料みたいな値段でネットに24時間つないでっていう今の環境も,何年か前には考えられなかったしね。今我々が想像できる世界よりもこれからの10年でさらに進化する,ということは分かりましたが,さて具体的にどうなるんでしょう。

こういう時に必ず「人間として大切なモノが蔑ろにされている」 みたいな意見を語るヒトがいますが,多分ネットの進化ってそういう意見が間に合わないほど先へ先へと進んでる感じ。インターネットに関心がないという人はともかく(今時そんな人いないか),現代人と言うか日本人は必読でしょう。今後の世界的な知の在り様のモデルが見えます。そしてその知が再編成される現場をリアルタイムで体験できる興奮の予感を味わうことが出来ます。一足飛びに進まないにしろ,そこは案外快適な環境のような気がするけど,そう言ってしまうとまた自分が無責任かつ楽観的過ぎるか?