本とCDの日々(仮)
個人的に気に入った本や気に入らなかった本や時にCDやDVDの感想を書いたり書かなかったり。
2006/09/29
TITLE:「 ゆうがたフレンド 」

ゆうがたフレンド / ムーンライダーズ
NHKFMの「LIVEBEAT」で初めて聴いたときはムーンライダーズ30周年のメモリアル・シングルにしてはちょっと地味すぎねーかと心配したが,こうしてCDで改めて聴くとなかなか良いじゃないですか。メロディ的には「HAPPY/BLUE'95
いよいよ祝30周年ですが(しかし「DON’T TRUST OVER THIRTY
今ちらっと気になって調べたてみたら,名前出すのもあれだけどアルフ○ーは結成32周年だってよ。何と言っても向こうにはヒット曲あるしな〜。こうなりゃムーンライダーズも死ぬまでやるしかないですね。おお,センチメンタル・シティ・ロマンスも30年超えてるのか。こちらは同志って感じがしますね。それにしても中野督夫の去年出たソロアルバムのタイトルは「夕方フレンド
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2006/09/27
TITLE:「 アフターダーク 」
![]() | アフターダーク 村上 春樹 (2006/09/16) 講談社 この商品の詳細を見る |
単行本が出版されたときにまず買って読んで,それから何年か 後に文庫化された際に改めて買って読む。そういうお気に入りの作家が若い頃はたくさんいた気がするが,今では筒井康隆と高村薫と村上春樹くらいになってしまった(もっとも高村薫の場合は文庫化までのスパンが長いし全面改稿されるので違う作品を読むような感覚になるが)。村上春樹については「羊をめぐる冒険
ずっと共通しているのは,村上春樹が,彼のスタイルを損なおうとする何ものかに対して,つねに宣戦布告しているような読後感。象徴としての暴力や現実的な暴力,恥ずかしいくらい凡庸な言い方をすれば,それは国家権力であったり不当に正義を振りかざすマスコミであったり顔の見えない一般大衆の悪意であったり。そういうものに対して,静かに対峙し,一歩も引かないし自分の領域に侵食してくることを許さない,という決意のようなものを感じてきた。そして例えそれが根拠のない被害妄想であれ,何ものかにつねにスポイルされていると感じ続けている現代人は,彼の作品世界に共感するのだろうと思う。
本書においても,その不思議に共存する分かり易さと分かりにくさが,我々に明るく眼に見える世界の安心と,闇を支配する何ものかに対する不安という,一見矛盾する感情を強いるような一冊。ところで,著者の作品で,唯一現実と対峙するという疲弊するだけの作業を放棄して,自分の世界にぬくぬくと閉じ篭ることが幸福だと白状しているような作品が,「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
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2006/09/26
TITLE:「 ダークサイドにようこそ! 」
![]() | テレビアニメーション「N・H・Kにようこそ!」O.S.T.ダークサイドにようこそ! TVサントラ、パール兄弟 他 (2006/08/23) ビクターエンタテインメント この商品の詳細を見る |
観たこともないそしてこれからも多分観ないだろうTVアニメのサントラを買ってぼやくシリーズ。すっかり忘れてたけど自分のiTunesチェックしたら,かしぶちさんが音楽やってるからって「機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争 Sound Sketch
例えば「君に崩えホえ」という曲。タイトルだけで馬鹿なのだが(ホエホエってデカパンだスか,って突っ込みたくなる),「俺の堕落を受け取ってくれ」とか「俺の因果を見つけてくれ」とか,これがまあ迷惑なくらい切実なラブソング。或いは「夏の日にようこそ!」という曲では,「風のすきまに 波のまにまに 忘れ物あり」なんて夏の日の夢のような歌い出しだけで参ってしまう。遠い眼をして聴き入ってしまいますね。窪田晴男もこういう曲,何気に上手いからな。
歯医者,じゃなかった作詞家としてのサエキけんぞうの仕事って,きちんと評価されているのかね。どうだろう。ライダーズやPSY・Sとかの仕事が世間では有名なのかもしれないが,アイドルとかに山ほど書いてるからね。知らない曲がたくさんあるはず。どこかの出版社で「佐伯健三全詩集(漢字表記のほうがそれっぽい)」とか企画しないかな。絶対買いますが。サエキけんぞうのいちばん良い歌詞が聴けるのは,懐かしやShi-Shonenの「DO DO DO
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2006/09/22
TITLE:「 東京シャイネス 」
![]() | 東京シャイネス(初回限定盤) 細野晴臣 (2006/09/21) ビクターエンタテインメント この商品の詳細を見る |
残念ながらはっぴいえんどを現役で追いかけられたほど年は取ってないので,細野晴臣という存在を知ったのはご多分に漏れずYMOから。だから「フィルハーモニー
バックを固めるのは,浜口茂外也や鈴木惣一朗といった細野さん周辺のおなじみのメンツだが,とにかく彼らの細野さんに対する,心からのリスペクトの感じられる,気持ちのいい音のライブ。東京シャイネスと名乗るくらいだから,決してベタベタしない,むしろあっさりした,それでいて誠実さに満ちた音。周りがそうやっていい塩梅に引いてくれるので,飄々としたキャラの細野さんが際立つと言うのかな。インタビューでもみんなさえないおじさん風なのに,しかしステージではきちんとそれなりに輝くところなんかミュージシャンの鑑。演奏ではペダルスチールの高田漣が,ひときわ目立ってた。
YMOに,対象との距離の取り方について教えられたと言うか,とにかく多大な影響を受けている我々YMO世代にとって,やはりシャイネスというものは貴重な美徳なんだと思う。本編ディスクに隠しトラックのように収められている特典映像で,「風をあつめて」を間違えて何度も歌い直す細野さんが可愛らしい。来年はいよいよ還暦ですか?
なお,初回限定で,このライブのそもそものきっかけになった,2005年9月埼玉狭山でのライブがボーナス・ディスクでついているのだが,こちらのライブも,後のライブのようにソフィスティケートされてない故の魅力があると思う。何と言っても小坂忠をゲストに,大名曲「ありがとう」を歌っているのは必見必聴。ここはどうあっても初回限定版を手に入れるべき。しかし子供のときのアイドルが,こうやっていくつになっても我々を喜ばせてくれるなんて,限りなく励まされるし,また幸福なことであるなぁ,としみじみ思う。
ややCMが鬱陶しいが,11月21日までここで試聴できます。⇒ http://www.gyao.jp/music/hosono/
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2006/09/19
TITLE:「 鈴木先生1 」
![]() | 鈴木先生 1 (1) 武富 健治 (2006/08/11) 双葉社 この商品の詳細を見る |
年を取ると知らず知らず保守的になって,知らない作家や新人作家の作品に積極的に手を伸ばそうとせず,品質保証のおなじみの作家の新作をただ追いかけるだけの,驚きも発見もないマンガ読み生活になりがちである。マジメな話。おまけにマンガ週刊誌を日常的に読むという習慣もとうに失っているから,新しい作家にふれるのは,その作品がよほど巷で話題になっているときか,信頼する書評家・評論家がプッシュしているときだけだったりする。その信頼できるマンガ読みの一人にマンガを描かない人気マンガ家,江口寿史氏がいるわけだが(マンガ描いてよ),氏がHPで最近この作品をほめていたので,読んでみたというわけ。以前同じHPで絶賛されていた「湯けむりスナイパー
本作はストレートなタイトル通り,中学校を舞台に鈴木先生が,生徒たちの抱える問題と向き合い,それを何とかしようと悪戦苦闘する物語である。簡単に要約すれば。でも考えてみて下さい。今時の中学生が,教師にかくかくしかじかの悩みがあって先生何とかして,なんて素直に可愛らしく相談するわけないですよね。つまり先生は生徒の様子から何らかの問題がありそうだと察知して,その核心,生徒の抱える問題の本質を推理するわけです。これってもしかしてミステリーでは?
3つのエピソードが収録されているが,最初の「げりみそ」では,給食の時間に周囲を不快にさせる言動をとる男子生徒が登場する。なぜこれまで特に問題児ではなかった彼が,そういうあからさまなサインとも言える行動をとるようになったのか。これ,終盤にその理由が判明したとき,私は唖然としましたよ。いや理由そのものは衝撃的でもなんでもないのだが,こんな理由でこれだけのストーリーを構築した作者の技と言うか,こういう話がエンタテインメントになるんだなと,しみじみした感動を覚えた。
妙にマンガっぽい顔の生徒と劇画っぽいタッチの表情の生徒が混在するところに,やや違和感は残るが,一読の価値のあるマンガです。いや一読どころか,何度も再読できるマンガ。学校ものって,いくらでもストーリーが存在してると言うか,まだまだ開拓の余地が無限にあるジャンルのような気がしてきた。しかし,「照柿」を読んだときも同じようなこと思ったのだが,この物語に登場する鈴木先生や生徒の一人一人みたいに,ものを考えることなくぼんやりと生きている自分に,呆然とするようでもあるなぁ。
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2006/09/16
TITLE:「 南の島の小さな飛行機バーディー 」
![]() | 南の島の小さな飛行機バーディー オリジナル・サウンド・トラック TVサントラ、黒川芽以 他 (2006/08/02) ヤマハミュージックコミュニケーションズ この商品の詳細を見る |
思えばムーンライダーズが絡んでるからというだけで「仰天人間バトシーラー
御大細野さんをはじめ,矢野アッコちゃんにコシミハル,高野寛に木本靖夫,青柳拓次(!)に岡田崇(誰?)等々充実の作家陣。あろうことか細野さん,1曲歌ってます。これだけでも買って良かった,と泣きながら拝聴しました。細野さんだけじゃなく,青柳拓次も高野寛も,何と言うか,子供が聴く音楽を作ろうと努力しながら,なお決して手は抜かずという姿勢のせいか,普段はなかなか見えにくい彼らの資質の美しい原石のようなものを,直に感じられる楽しい作品集になっています。安心して子供にも聴かせられる上質の楽園音楽。
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2006/09/13
TITLE:「 照柿 」
![]() | 照柿 高村 薫 (2006/08/12) 講談社 この商品の詳細を見る |
家にある単行本初版の奥付を確認したら,1994年7月15日。12年前。エアコンもない暑い部屋で,この厚くて熱い本をむさぼるように読んだ当時の記憶が甦る。正直,細かいストーリーはあまり覚えていないが,とにかく活字を追うごとにじわりと汗がにじむような熱い小説だったという記憶。そして今年はやや暑さの衰えた9月に,例によって著者の全面改稿を経てようやく文庫化された本書を,じっくりと再読する。
主な舞台は8月の東京と大阪。言うまでもなく真夏。合田雄一郎は刑事として八王子で起きた殺人事件を追って炎天下の東京を走り回り,幼馴染の野田達夫は羽村のベアリング工場で高温熱処理の工程に携わっている。そこで著者が執拗に描写するのは,物語の熱さ以前の,純粋な気候の暑さ。何かきっかけがあれば簡単に火がついて燃え上がりそうなほどの猛暑のもと,彼らの日常を丹念に,ある種偏執的に描いていく。特に達夫の働くベアリング工場の熱処理過程,というのがなかなか素人には具体的にイメージするのが難しいのだが,とにかく尋常ならざる熱い環境だということは嫌というほど伝わる。
雄一郎は偶然居合わせた電車の飛込み事故現場で見かけた,佐野美保子という女に心を奪われる。ところがこの佐野美保子は事故で死んだ女の情夫の妻であり,しかも結婚前に野田達夫の恋人だったこともある。結局,物語は昔の女を助けようとする達夫と行き場を失くした美保子のままならぬ道行がメインであり,雄一郎はその周りで勝手に想像をたくましくして身悶えするばかりという,ありがちと言えばありがちな構図。しかし本書の肝は,そういう表面的な展開にはない。雄一郎と達夫のあたかも煉獄を彷徨うかのような熱さの中で,次第に常軌を逸していく様,一瞬の意識の移ろいまで執拗に書き込まれたその描写に,それこそ熱に浮かされたように或いは酔うようにして,我々は読み進む。読まずにはいられない,そんな熱気をはらんだ小説である。
熱さもそうだが,この雄一郎と達夫の二人が,物語中ほとんど寝ない。炎天下の睡眠不足。これでは正気を保つ方が難しい。最後には正気を失った達夫がまるで予言に従うように殺人を犯してしまい,大阪から東京の雄一郎に電話をするシーンでストーリーは終わる。今までの熱さを洗い流すような雨の中で。
パラパラと単行本をめくって,どれくらい改稿されているのか確かめようと思ったら,ちょっと見比べただけでも相当変わっているようだ。それと,記憶が定かでないが,単行本が出て後,NHKでドラマ化されなかったか。合田雄一郎は三浦友和,野田達夫は野口五郎,佐野美保子は田中裕子というキャスティングだったと思う。もしもこれから読む人は,10年位前の野口五郎と田中裕子をイメージして読むと良いのでは。まさに適役だったように記憶している。合田雄一郎は好みが分かれるだろうなぁ。個人的には三浦友和より悪評高い中井貴一のほうがイメージに近いのだが。
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2006/09/10
TITLE:「 遠近(をちこち) 2006年8・9月号 」
![]() | 遠近 (第12号(2006年8・9月号)) (2006/08) 国際交流基金 この商品の詳細を見る |
国際交流基金発行の雑誌。寡聞にして今までその存在を知らなかったが,今号は「世界は村上春樹をどう読んでいるか」という特集だったので,値段も安いし(それが大きな理由だったりもするが),手にとってみた次第。メインは本年3月に行われた国際シンポジウム「春樹をめぐる冒険」の記録。ほかは映画「トニー滝谷」に主演したイッセー尾形や多くの村上作品の装丁を担当している安西水丸のエッセーなど。
村上作品が世界で読まれているという話題はよく耳にするが,主要作品の翻訳一覧を見るだけでも,想像以上の範囲の広さに驚く。そこには,日本で我々が村上作品を読むときと同じような,感動やサプライズが生まれているのだろうか。
読了して作品世界から現実に戻る瞬間に感じる,精神が軋むような感じとか居心地の悪さ。或いはそれでいて一度現実を洗い流してもらったような清清しさ。今まで眼をつぶってきたが実は現実という薄い表皮の下に潜む不条理な暴力の芽のようなもの。そしてそれに対峙していかなければならないという密やかで甘い覚悟のようなもの。そういう感情を,村上作品を読了し顔を上げるときに,世界中の人が感じているのだろうか。それって,ものすごく悪くないことのように思えませんか。
大勢で集まってその作品世界について議論するという図は,村上作品のイメージから最も遠い光景という気もする。村上氏自身も,そうした消費のされ方を拒否するかのように,つねに距離をとっているように見えるし。それでも,やっぱりみんな,村上作品について,何か一言,語りたいんだろうね。そしてそういう愛され方は,作家にとってやはり幸福なことだろうと思う。ぜひご一読を。
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2006/09/06
TITLE:「 特選街 2006年 10月号 」
![]() | 特選街 2006年 10月号 [雑誌] (2006/09/02) マキノ出版 この商品の詳細を見る |
この雑誌って定期的に読んだりはしないが,たまに書店やコンビニで見かけるとつい買ってしまったりしませんか? 今月号の特集は「デジモノ大質問箱」,旬のQ&A200連発ということで,読みたくなりますよね。なりませんか?
そもそもこの質問もどこから集めてきたのか,多分に自作自演っぽいけど,中には「アナログ停波が5年後に迫っていますが,私の知人は誰一人デジタル対応テレビを持ってません。本当に,完全移行ができるのでしょうか?」とか,ちょっとヤラセっぽいが,なかなかツボをついた質問もある。
「Amazonのマーケットプレイスを見ていると,1円の商品がよくあります。手間の割にもうけがないのでは?」と私もこれは長いこと疑問だったんですよ。1円って薄利多売にも程があるよな,と思っていたのだが,ふーん,そういうことなのか。でもそれだけを商売にしてる人じゃなきゃ,やっぱり採算合わないだろうなという感想。
間抜けな質問も多いけど,「ライカやカールツァイスブランドのレンズって,やっぱりドイツのレンズ職人さんが作っているの?」という質問に対する答えが笑えます。これ絶対,解答者が質問原稿も書いてると思います。
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