本とCDの日々(仮)
個人的に気に入った本や気に入らなかった本や時にCDやDVDの感想を書いたり書かなかったり。
2007/07/28
TITLE:「 キャラ者3 」
![]() | キャラ者 3 (3) (アクションコミックス) 江口 寿史 (2007/07/17) 双葉社 この商品の詳細を見る |
祖父江慎デザインによるどうしようもなくオシャレな第3巻。江口作品の3巻目が出るってもしかして「ひばりくん」以来か?
しかし同時に1・2巻を同じく祖父江慎のデザインでリイシューするって商売はどうなのよ。3巻買ったら5000円近くって,本人もHPの日記に書いてたけど,辞書かっての。それでもクラクラしそうなデザインについつい買っちゃうから,ファンって有難いよね。痛い出費です。1・2巻の旧版がレアものとして価値が出ないかななんてこころの貧しいことを考えてしまいそう。せめて4巻出すときは,同じことするの止めて下さい。
お気に入りキャラは,作者本人のぼやきを絵にしただけの,「ただそれだけ君」です。「別にオマエのために金メダルとったわけじゃないから」って名言だよな。オリンピックやワールドカップや高校野球に興奮するのはわからないでもないけど,「ありがとう」という感想はやっぱり変だと思うし。
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2007/07/19
TITLE:「 Golden Green 」
![]() | Golden Green UA (2007/06/20) ビクターエンタテインメント この商品の詳細を見る |
UA「Golden Green
ミカ・バンドのライブはWOWOWで見てたので特に改めての感慨なし。あまり評判のよくないボーナスの1975年ライブも,確かに音質はひどいが逆にそれがリアルな気もして案外夢中になれるからオレの耳も安易なものだ。UAとくるりの新作は,自分たちのやりたいことだけを徹底してやっているように見えて,決してリスナー不在の独りよがりなところへはいかないところが共通している。分かり易い気持ち良さに踏みとどまっているところがある意味商売上手ともいえるし,プロデューサーも兼ねる彼ら自身の矜持を見るようでその現場感覚が頼もしいとも思う。特にUAは聴きながら眠ると幸福な夢が見れそう。スネオヘアーの「スカート
それにしてもUAの,中身の気持ちの良さとはウラハラのこの↑ユーモラスというより不気味なジャケ写,何か元ネタがあるんでしょうか。
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2007/07/18
TITLE:「 「話して考える」と「書いて考える」 」

「話して考える」と「書いて考える」 / 大江健三郎
著者の作品を熱心に読んでいたのはかれこれ20年近く昔の話でノーベル賞受賞後はむしろ疎遠になっていた。本書も書店で見かけて多分買っても読まないだろうなと思いつつパラパラと立読みしてみると,「しめくくり」と題されたあとがきに記された次のような文章を目にして,買わないわけにはいかなくなった。
「そしていま私が夢みるのは,(中略)なまみの私には講演をすることができなくなった後,(中略)あの小説家は,こういう時に,こういう気持で話したのか,それならいま,こういう人間である自分が,しっかり読みとってやろう,と心をきめてくれる少数者がいるならば,ということなのです」
しばしば難解であるとそのわからなさに対するある種のやっかみとともに評されがちな著者の文章は,実は万人に分かり易くあろうとするあまり,ひとつのセンテンスにそれと同等以上の情報量を注釈せずにはおれない著者ならではのサービス精神が災いしているのだと思っている。そして例えばこの国を動かす立場にある者たちのレベルの低さ・哲学のなさに絶望しながらも,それでも人間全般の可能性について頑なに信じ,それに言及せずにはおれない,時にそのむき出し加減にこちらが当惑するほどの文学者的なピュアネスも著者の魅力のひとつだろう。久方ぶりに話題があっちへ行きこっちへ行きもする,著者ならではのサービス精神にあふれた,そして講演の記録でありながらほとんど著者の書き言葉のように読める本書を読みながら,おそらくこうした著者の呟きをリアルタイムで読めるということは今考えている以上に幸福なことなのだろうと思った。
本書の中で取り上げられる中野重治にしても佐多稲子にしてもT.S.エリオットにしても,かろうじてその名前を聞いたことがあると言う程度の無学な読者でしかないのだが,ここで再三語られる人間が生きていく上での考え方の在り様については,非常に示唆に富む一冊であると言えると思う。本書のタイトルに即して言うならば,まさにわれわれ読者が「読んで考える」ことの可能性と意義について,あらためてそして限りなく考えることが出来る。
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2007/07/13
TITLE:「 鈴木先生3 」
![]() | 鈴木先生 3 (3) (アクションコミックス) 武富 健治 (2007/07/03) 双葉社 この商品の詳細を見る |
いつものように書店の新刊コーナーを軽く流してたら全くノーマークだった本書を発見して思わず「お〜っ」と声を上げてしまい周囲の冷たい視線に顔を赤らめつつもこぼれる満面の笑みを抑えることができない。つまり「鈴木先生」の新刊が発売されるということはオレのささやかなこの人生においてそれほど重要なイベントなのだと言っても過言ではないのだ。
今回は前巻「恋の嵐」の続きと新エピソード「恋の終わり」が収録されている。タイトルで想像できるように今回は最初から最後まで鈴木先生のカミサマであり本書の400万男性読者(推定)の心のアイドルでもある小川蘇美ちゃんをめぐる恋のさやあて(さやあて,って古い言葉w)の物語だ。もちろん登場人物たちの過剰な心理描写と鈴木先生の異常なほどの脂汗の量は健在。特に今回は焦点が蘇美ちゃんに絞られているので,展開が分かり易く読者の感情移入も容易だ。それにしても前巻の山崎先生といい今回の竹地といい,みんな壊れ方が半端じゃないよな。中学校ってこんなに愛憎渦巻くドラマティックな場所だったっけ?
とにかく毎度のことだが,中学生たちの行動の裏付けが論理的過ぎる。みんな中学生にしちゃ頭良すぎなんて言ったら今時の中学生に怒られるかしら。いずれにしろオレが中学生の頃はこれほど自身や他人の行動を論理的に分析できなかったし,とりあえず当座の感情や本能で動いていたのは確かだ。或いは周囲のこのような思惑に気づかないくらい鈍感だったってことか。これ現役の中学生や先生はどう読むんだろうな。
「バカにされるだけのイジメなら克服できるが憎しみからのイジメは果てがない」とか「途中で逆ギレして相手を責めるくらいなら最初から自己嫌悪などするな」とか,とにかく中学生相手に徹底的にロジカルに語る鈴木先生。そのコトバにいちいち正確に反応できる中学生たち。面白すぎる。そしていよいよ小川蘇美をひそかに思う自分の気持ちと向き合わざるを得ない鈴木先生。これからどうなるんだ。
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2007/07/05
TITLE:「 Denim 」
![]() | Denim(初回限定盤) 竹内まりや (2007/05/23) ワーナーミュージック・ジャパン この商品の詳細を見る |
もはや数年おきに発表するアルバムがつねにベストアルバムと言っても過言でないほど,半数以上が聴いたことのあるタイアップの既発曲で占められている。それでも新作が出たとなると聴かずにいられないのは,山下達郎が絡んでいるというクオリティ保証があるから。そして今作も期待通り,達郎の過剰なコーラス,そしておしゃれマイナーなムード歌謡的なアレンジは健在だ。
ということでメロディやアレンジワークの職人仕事ぶりには最大限の敬意を表しながらあえて書くけど,私は以前からこの人の書く歌詞に時々ひっかかるんだよな。設定やメッセージが凡庸だと感じるのは趣味の問題だからどうでもいいとして,このアルバムでは例えば「終楽章」という曲の“あどけのない その笑顔に”という歌詞。“あどけない”を“あどけのない”という言い方するかな。それはメロディーに乗せる言葉数の問題であって文学作品じゃないんだからたいした問題ではない,と言われればそうですかと引き下がるけれど。或いは“あどけのない”という言い方で日本語的になんら問題ないということであれば,それこそ単なる言いがかりになってしまうけれど。
他にも松たか子に書いた「みんなひとり」の中の“プチうつ”という歌詞のセンスとか。秋元康みたいにウけるためなら何でもありというような職業作詞家とは違うんだから。その辺りの感覚が今ひとつ信用できない気がしてるのは私だけかな。誰か同じような印象持ってる人いないでしょうか。いや時々ひっかかる歌詞の他はホントに素晴らしいと思うんですよ。
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2007/07/04
TITLE:「 THE DOG DAYS 」
![]() | Hirobumi Suzuki Live chronicle THE DOG DAYS 鈴木博文 (2007/06/25) インディペンデントレーベル この商品の詳細を見る |
ムーンライダーズのベーシスト鈴木博文氏のアルバムは失礼ながら大体において地味なので,煩雑な日常の中にその印象も埋もれてしまいがちなのだが,こうしてベスト的なライブアルバムが発売されて,改めてじっくり聴き込むと,やはりその手を抜かなさ具合に感銘を受けるのである。昨年のTHE SUZUKIのライブ・アルバムで博文氏の声はいつまでも若々しいなぁと思ったものだが,収録されている80年代末のライブを聴くとやはり声が今より全然若いやね。
その80年代末の音源として駆け出しの頃のカーネーションとの競演が収録されている。そのことについてライナーに博文氏自身が綴っている文章に感動したので一部引用させていただく。
「彼ら(カーネーション)の演奏は回を重ねるごとに高揚感を増し,強靭になり,男臭い色香を放ち始めたのだ。(中略)そんなグループと一緒にやっているんだなあという得がたい充足感もあった」
これはまるでカーネーションのライブ・アルバムに,博文さんが賛辞を寄せたみたいじゃありませんか?
ムーンライダーズというグループが,或いは鈴木博文という一ミュージシャンが,30年以上にわたり音楽業界で生きながらえているしたたかさとは別の,ある種イノセントなミュージシャンシップがそこに垣間見えるようで,個人的に嬉しかった。そして自分のライダーズ愛(原監督のジャイアンツ愛のパクリ)を再確認するためにも,改めてファーストの「Wan-Gan King
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2007/07/03
TITLE:「 HIGH EXCENTRIQUE 」
![]() | HIGH EXCENTRIQUE 橋本一子 (2007/06/27) ユニバーサルJ この商品の詳細を見る |
初期の7枚のアルバムがこの度めでたく再発。あまりの懐かしさにとりあえず,思いがけないハードロックな音に当時仰天した今作を購入してみました。「クレイジー・ピープル・イン・ザ・シークレット・クラブ」「世のおわりと世界の創造」など,収録曲のタイトルもカッコ良かった。1988年だって。オレはあれから20も年を取ったってことか。他のアルバムもカセットテープでどこかにあるはずなのだが。まあ順次すべてのアルバムを買い揃えることになるでありましょう。音はリマスタリングされてるが,CDの背タイトルのカタカナ表記がやや力抜けます。価格は安いものの全体的にあまり愛のある再発ではないような気が少ししますね。それはともかくColored Music名義のファーストや,伝説のピアノアルバム「Ichiko」もこの際ぜひ再発してほしいものです(残念ながら聴いたことがないので)。コロンビアとビクターかな多分。
一子さんの存在を知ったのはやはり「夜ヒット」でYMOのサポートとして登場したとき。そのクール・ビューティーなルックスに一目ぼれしたのは,おそらく私だけじゃないと思います。アニメ方面に行かれてからは,あまり熱心に聴いていませんでしたが,今回の再発で久しぶりにその美しいビジュアルを目にすることが出来て感激もひとしおです。というわけで今回再発されるアルバムの中でも,特にジャケの美しい2枚を並べてみましょう。美しいですよね。いやもちろん音楽も美しいですよ。
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2007/07/01
TITLE:「 幻夜 」
![]() | 幻夜 東野 圭吾 (2007/03) 集英社 この商品の詳細を見る |
「白夜行
「白夜行
読み終わった後に足場のない闇の中に放り出されたような頼りない感覚。そういう読後感を覚えるのは私だけかしら。そういう感覚は前作で十二分に経験済みなので,それほどのショックはなかったけれど。それでもやはりこの尋常ならざるリーダビリティは驚異的だと思う。万人に薦めたい良書というタイプの本ではないが,面白いことは間違いないです。
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