本とCDの日々(仮)
2007/11/22

TITLE:「 ユニコーン・トリビュート / 奥田民生・カバーズ 

ユニコーン・トリビュート
東京スカパラダイスオーケストラ MONGOL800 TRICERATOPS GRAPEVINE 真心ブラザーズ DOPING PANDA CHEMISTRY PUSHIM つじあやの 吉井和哉
SE(SME)(M) (2007/10/24)
売り上げランキング: 117
おすすめ度の平均: 4.5
3 無題
4 毎日聞くと思います
5 こちらも2枚組

奥田民生・カバーズ
奥田民生・カバーズ
posted with amazlet on 07.11.16
中孝介 木村カエラ B-DASH 斉藤和義 スピッツ GOING UNDER GROUND サンボマスター The ピーズ チャットモンチー GLAY
SE(SME)(M) (2007/10/24)
売り上げランキング: 120
おすすめ度の平均: 4.5
5 2枚組ってすごい
4 まだ未完
5 2枚合わせて楽しんで聴くのが一番

自然体というコトバほど胡散臭いコトバはないし,自然体であることを売りにしているアーティストって信用できないよなとつねづね考えているわけだが,それでもこの奥田民生という人の存在と彼の作る音楽の見かけの何気なさは驚異的だと思うのだ。このパッと見の適当感は尋常じゃないよな。充実したトリビュート或いはカバー・アルバムを聴くと,オリジナルを無性に聴きたくなるものだが本作も例外ではない。それにしてもユニコーンの「エレジー」は名曲だ。できればどちらかのアルバムで,ムーンライダーズに参加して欲しかったところ。ユニコーンの「命果てるまで」あたりを余裕でカバーすると面白かったと思うのだが。

2007/11/17

TITLE:「 平成関東大震災 

平成関東大震災--いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった-- 平成関東大震災--いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった--
福井 晴敏 (2007/08/24)
講談社
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新書サイズの福井晴敏だ。何と信じられないことにさくさく読めてあっという間に読了。書名通りの,もし今,関東大震災が起こったら首都圏はどうなるかというシミュレーション小説。フィクションであるメインのストーリーにコラム形式で日本の地震予測・対策をめぐる現状についての文章が挿入される形で話は進む。何といっても想像し得る最大の天災だろうから,自助努力だけではどうにもならない。要は自分ひとりが生き残っても仕方ないということだ。地震に備える段階でもそれが起こってしまった後でも,結局他人と助け合う努力をする者が生き残るのだという超シンプルなメッセージ。阪神大震災のニュース映像を見たとき,まるで戦争が起こったようだと衝撃を受けた記憶が甦る。

最近聴いたCDをまとめて。HMVの2枚買えば安いの言葉についふらふらと「Complete Clapton」「The Very Best of Mick Jagger」を買ってしまう。まあ一家に一枚的なものだから仕方ないか。ClaptonはともかくMick Jaggerの選曲は賛否両論ありそうだ。やっぱり「Primitive Cool」は冷遇されてるのね。何となく買いそびれていたカーネーション「The Sounds of ROCK LOVE」もようやく聴く。スーパームーンライダーズを思い出させる大編成。「夜の煙突」はもはや定番だがフィメール版THE SUZUKI(さえ子さん&祥子さん)参加のバージョンには勝てないね。単に好みの問題だが。

その他。やはり若さはひとつの才能だと思い知らされるチャットモンチー,「生命力」とは何とも凄いタイトルだ。今後まだまだ化ける可能性を感じさせるが,う〜んプロデューサー次第でしょうか。同世代に聴いてもらえれば満足なんて志の低いところで落ち着かないで欲しいものだ。大御所中島みゆきの「I Love You,答えてくれ」はタイトルもジャケットもド迫力で怖ろしい。冗談じゃないらしいからなお怖ろしい。最近のアルバムはどうにも大味な印象が強くて,昔のようにどっぷりと深く聴き込むのは難しいと思う。
2007/11/16

TITLE:「 服部良一〜生誕100周年記念トリビュート・アルバム〜 

服部良一~生誕100周年記念トリビュート・アルバム~ 服部良一~生誕100周年記念トリビュート・アルバム~
一青窈、山崎まさよし 他 (2007/10/17)
UNIVERSAL MUSIC K.K(P)(M)
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服部メロディについて何か発言できるほどの知識もないのだが,何だかみんなマジメに丁寧に歌ってるな〜という印象。服部メロディは,どこか突き放すというか,クールに歌った方が生きると個人的には思うのだが。或いはかしこまって歌い上げるより,生活の合間に気軽に口ずさんだ方がメロディの良さを実感できると言うか。そういう意味では蓮っ葉な感じで歌った松浦亜弥の「ラッパと娘」が実はいちばんしっくりきたような気もする。この曲は服部良一の作詞も凄い。期待していた井上陽水のヴォーカルには全盛期の輝きがなかったと思うがどうか。さだまさしも小田和正も決して悪くはないがどこか平板。そういう意味ではインスト参加のスカパラやレ・フレールは無条件に楽しい。まあ全体的には笠置シヅ子や雪村いずみの「スーパー・ジェネレイション」を聴いた方が服部メロディの軽やかさを楽しめるのではないかと,僭越ながら思う。

2007/11/15

TITLE:「 さざなみCD 

さざなみCD さざなみCD
スピッツ (2007/10/10)
ユニバーサルJ
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このCDのジャケットを遠くから見ると何が写っているのかよく分からないのだが,近くで見ると何やらスフィンクスみたいなイラストと可愛げな女の子が走っている写真との合成だ。ダサいとお洒落の紙一重のところにいるかのようなこのジャケット,何か妙に惹かれるなぁと思いレンタルしたら,福田利之氏の手によるものだった。つまりムーンライダーズの「P.W Babies Paperback」のジャケットのイラストの人。調べたら最近のスピッツのシングルCDも描いてるようだ。こうしてライダーズのファンがイラストに惹かれてレンタルするということは,逆に何百倍も存在すると思われるスピッツのファンが「P.W Babies Paperback」をレンタルするということもあるかも・・とも思ったのだが,よく考えたらTSUTAYAにはライダーズのCD置いてなかった。残念。いや本気で残念なわけではないが。

で,肝心の音の方は,彼らの従来のイメージ通りの音だと思うがマニアにとっては違うのかな。嫌いではないが積極的に聴くほどでもない。スピッツの曲で一番好きなのは「稲穂」という曲です。

2007/11/12

TITLE:「 生首に聞いてみろ 

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2) 生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)
法月 綸太郎 (2007/10)
角川書店
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講談社ノベルスが新本格ブームで元気だった頃に「誰彼」や「頼子のために」「ふたたび赤い悪夢」等を読んで以来なので10年以上のご無沙汰。過去に読んだ本の内容もよほどのことがない限りほとんど覚えていないのだが,久々に法月作品を読んで何となく既視感のようなものを感じるようでもあった。ストーリーが地味で真相が明らかになってもさほどのショックというか世界が反転するような快感は感じられないのだが,退屈と紙一重の精緻な書き込みは見事だし張り巡らされた伏線がひとつひとつ回収されていく過程に立ち会うのもまた違った意味の快楽と言えなくもない。

推理小説なので内容にはふれないが,被害者が殺害されるのが物語の中盤なので,それまで被害者に好感を持って読んでいた身としてはいささかショックだった。今さら小説の登場人物の死に動揺する自分に驚いたというのもあるが,それだけ前半の丁寧な描写に引き込まれていたということだろう。それから途中で武相困民党についての薀蓄が語られる場面があるが,物語に何の関係があるのか分からず困惑した。こういう読者を煙に巻くような仕掛けも著者らしい。King Crimsonがらみの章タイトルとかどうでもいいようなところに趣向を凝らすところも。

2007/11/06

TITLE:「 それから先のことは / ガーディニア 

それから先のことは(紙ジャケット仕様)
加藤和彦
ディウレコード (2007/11/02)
売り上げランキング: 1056

ガーディニア(紙ジャケット仕様)
加藤和彦
ディウレコード (2007/11/02)
売り上げランキング: 1015
おすすめ度の平均: 5.0
5 快作!
5 待ち焦がれた名盤

実は「ガーディニア」は今回の紙ジャケCD化で初めて聴くことができた。もちろん加藤和彦のアルバムが悪いわけがない。参加メンバーは坂本龍一や高橋幸宏や鈴木茂や後藤次利などなど。ミカバンドの後の反動か幾分フォーク回帰のような印象もあった「それから先のことは」に比べ,その洗練されたボサノバぽいメロディが次にくる海外録音三部作の予兆のようにも聴こえる。それにしても1978年にこの音。30年前の音楽がこんなにも新しく聴こえるというのは一体どういうことか。私の耳が古いということか。否,オリジナルの音を知らないで言うのも無責任だが,オノ・セイゲン氏によるリマスタリングの功績か,その音は今聴いても全然古びていない。そして粋と呼ぶほかない引き締まったアレンジは,今でも充分に新しいしお洒落。ルックスも良い才能もあるセンスもある,そして決してそれをひけらかさない。こういう人を天才と呼ぶのだろうな。カッコ良いです。

2007/11/05

TITLE:「 走ることについて語るときに僕の語ること 

走ることについて語るときに僕の語ること 走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹 (2007/10/12)
文藝春秋
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小説ではない村上春樹作品は,それほど深くのめり込むこともないので(小説を読むときのように寝食を忘れて読み耽り睡眠不足になって実生活に支障を来すことはない,という意味),それこそ寝る前に少しずつ眠くなるまでという感じで読むことが多い。本書は「走ること」についての著者曰くメモワールということだが,なるほど走ることを趣味にする作家が書いた文章というよりも,たまたま文章の書けるランナーが著した本と呼んだほうが良いくらいの印象を受ける。つまりそれだけ著者にとって「走ること」が日常であるということだ。

もちろん著者にとって走ることがどれだけ日常であっても,それが全く日常でない読者もいるわけで,最初は著者がマラソン大会の当日に向けて周到に準備をしていく過程に,何故そこまでという気も確かにするのだが,しかしするすると読める著者の気持ちの良い文章に,何となく納得させられるようにも思えてくるから不思議だ。もちろん単に走ることだけについて書かれているわけではなく,走ることを通して作家としての著者の在り様について書かれているからするする読めるのだろうけど。

例えば走ることは気持ちの良いことだし健康にも良いしアンチエイジングにも有効ですよ,だから皆さんジョギングをしましょうと扇動するような文章を書くのは,それほど難しいことではないと思うのだ。しかし本書のように,そうした下品な煽りは一切なしに,つまり読者に自分も走ってみたいと思わせることなしに,著者にとって走ることがいかに生活と分かち難く存在しているかということを,それなりに読者の腑に落ちるようにさせるのは,やはり相当の高等技術ではないかと思う。

プロの作家の,それもノーベル文学賞の候補になるような作家について,今更その技にほれぼれするというのも間の抜けた感想だとは思うが,やはりその職人的な気持ちの良い文章には,しみじみと感心する。