本とCDの日々(仮)
2007/12/31

TITLE:「 細野晴臣イエローマジックショー 

細野晴臣イエローマジックショー細野晴臣イエローマジックショー
(2007/12/22)
細野晴臣

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ビデオテープに録画していたものをDVDに落として家宝として保存していたのだが改めての発売。なぜ今頃?と思わないでもないがきっと商品化のリクエストが多かったんだろうなぁ。細野さんとユキヒロの司会でミニドラマやゆかりのアーティストのライブをはさみつつのおよそ2時間。細野さんとユキヒロのかけあいがたまらなくおかしいのは自分が無条件のファンだからなのだろうか。いや間が絶妙なんですよ。細野さんを知らない人が見たら音楽的なコトよりその面白いオジサンぶりにまず驚くんじゃなかろうかとも思う。

有名なドテラYMOもパッケージにデザインされてて,まあ当時はこの再々結成がいちばんの見どころだったんだが,今やHASあるいはHASYMOとしてやりたい時にはやるみたいな感じになってて,そんな御三方と共に生きることが出来るなんていやはや良い時代になったものである。散開も再生も関係なく,コンスタントにリリースをするわけでもないが間違いなく存在している,というこの21世紀的なバンドの在り方。永遠に終わらない夢はないんだろうけど,いつまでも我々にカッコイイと思わせる存在でいてくれる彼らに励まされるような気もする今日この頃なのである。

2007/12/24

TITLE:「 OVER the MOON / 晩秋のジャパンツアー2006 

OVER the MOON/晩秋のジャパンツアー2006 C.C.LemonホールOVER the MOON/晩秋のジャパンツアー2006 C.C.Lemonホール
(2007/12/19)
ムーンライダーズ

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1年待ってようやくのDVD発売。30周年の散財の熱もやや冷めて,やっぱりホールでのライダーズのライブってシアトリカルな雰囲気になりがちでその辺りが気取ってると思われる所以なんだよなーとか考えつつ冷静に観てたのだが,DISC-2の「トンピクレンッ子」のイントロであまりの気持ちの良さになぜか号泣。ライダーズ史上最もテンションの上がる曲だ。そう言えば最近やっと例の「コカ・コーラCMソング集 1962-89」に収録されてるライダーズ・ヴァージョンを初めて聴いたのだが,やっぱり80年代中期の,ニューウェーブ化の嵐が一段落した頃のライダーズの音がいちばん好き。「青空百景」から当時電器屋で聴くしか方法がなかったCDリリースの「MANIA MANIERA」をはさんで,「アマチュア・アカデミー」辺りの頃ね。ライダーズがいちばんカッコ良いと無邪気に信じてた純粋なリスナーだった頃だ。それにしてもこの音源が使われてるCMって見た記憶ないが,ホントにオンエアされてたのかね。

1980.2.23 リサイタル MODERN MUSICの彼方
ムーンライダーズ
3d system(DDD)(M) (2007/12/19)
売り上げランキング: 721

マニアのための企画,アーカイブ・シリーズも第3弾。これホントにマニアの人以外はまず買わないだろうから,どれだけ売れているのか販売実数知りたいものだ。しかし同時期に堀内孝雄のバッキングもやっていたと考えるとなかなか切ないものがある。いよいよ80年代に入って聴きたいライブが目白押しなのだが音源あるのかしら。全部買うからあるだけ出して欲しい。生ライダーズを初めて見たと記憶している84年中野サンプラザの観光地楽団との共演,出してくれたら嬉しいのだが。
2007/12/20

TITLE:「 おはよう 

おはようおはよう
(2007/12/12)
曽我部恵一ランデヴーバンド

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前から言ってることだがこの人はやはり天然の人なんだなぁという感をさらに強くした。つまり自分をカッコ良く見せるということは,自分を必要以上に飾ることでも自分に似つかわしくない素振りをすることでもなく,自分が楽しいと思うことを徹底的にやって見せているときこそ自分がいちばんカッコ良くそして輝いて見えるのだということを,本能的に知っている人なんだろうということだ。そうでなければ今どき無邪気にこんなドラムレスでフォーキーな音を鳴らしたり,楽しそうにわが娘とデュエットしたり出来ないだろう。しかもこれはこの人でないと成立しない世界であり,おそらく他の人が作為的に同じようなことをやったら鼻持ちならないものになるはずなのだ。つくづく音楽って不思議。そう言えば来年発売の鈴木慶一のソロアルバムをプロデュースしたらしいが,天然代表とも言うべき曽我部恵一が片や作為の人の代表的存在である鈴木慶一をどう料理したのか,正直なところ期待半分不安半分。鈴木慶一はレコーディングを気楽に楽しんだだろうが,曽我部氏の方は相当プレッシャーが大きかったんじゃないかと想像する。それとも天然の人らしく無邪気に楽しんだんだろうか。

その他最近レンタルしたりしたCDから。和幸の「ゴールデン・ヒッツ」。加藤和彦は本当にやりたがってる仕事なんだろうか。或いはこれやることで何かメリットがあるのかしら。過小評価されてると思う石田ショーキチの意外や初のソロ名義である「love your life」。これでもかとポップソングが詰まっている。幸福な気持ちになれるが余裕のなさがやや息苦しいかも。もはや安心ブランドの青柳拓次の「たであい」も本人名義では初のソロらしい。枯れ具合が信じられないが聴き手を選ぶとは思う。畠山美由紀「わたしのうた」は上手すぎて何も言えない。21世紀の大空はるみという感じ。違うかな。でも個人的にはこういうビッグバンド風の音よりPort of Notes系の家庭内工業的バンドサウンドの方が合う声だと思うんですが。

2007/12/15

TITLE:「 遊星箱 

REAL FISH:遊星箱REAL FISH:遊星箱
(2007/12/04)
Real Fish

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CDで持っているのは「天国一の大きなバンド」のみ。「tenon」も「4」も昔CDレンタルしてカセットテープにコピーしてたけどそのテープもどこにあるやら分からぬ状態。中古CDで入手するしかないかと考えていた矢先のリマスタリングBOX発売。しかし限定1000部なんてあっという間に完売しちゃうんじゃないの?と心配になりますがどうなの。12000円という高めの価格設定も部数の少なさゆえなんだろうし。

楽しい音楽の見本市のようなファースト「天国一の大きなバンド」には,学生の頃に8ミリフィルム(!)で自主映画まがいのものを作ってたときにBGMとして随分使わせていただきました。完全な著作権無視だが悪気はなかったしそもそももう時効でしょう。よりオトナな感じでやや落ち着いた雰囲気になったセカンドの「tenon」もフェアチャにつながる戸田誠司的騒々しさと他のメンバーのジャジーな雰囲気が対照的な「4」も,ホントに今聴いても全く色褪せない心憎いばかりの名盤たち。20年も経って,こうしてしみじみあの頃のBGMだった音楽を聴いていると,体力的な衰えはともかく,精神的にはちっとも変わってないぜと思いたくもなるよね。

「ジャンクビート東京」は当時「4」に収録されていて1曲だけ浮いてる印象だったがPV収録の大サービスで別CD仕様。オムニバス「陽気な若き水族館員たち」に収録されていた初期の名曲2曲と1985年の名古屋ライブを収録したボーナス・ディスク付き。12000円は安いとは言えないがその価値は充分にある。Amazonで品切れだった福原まりさんのファースト・ソロ「Octave」もHMVで無事入手。この年末はreal fish関連の音を聴いて暮らそうと思ってます。

2007/12/14

TITLE:「 WORKING MAN'S CAFE 

ワーキング・マンズ・カフェワーキング・マンズ・カフェ
(2007/12/05)
レイ・デイヴィス

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とりあえず世間的には初のソロとされている「Other People's Lives」から,発売年としては1年後という驚くべきハイペースでリリースされた泣く子も黙るレイ・デイヴィスの新作。これは聴かなきゃでしょ。しかし何があったのか知らないがこの旺盛な創作意欲は一体どこから来るのか。収録曲すべてオリジナル。もう60歳を越えているはずだと思うのだが。

レコーディングはカントリーの本場ナッシュビルだそうで,すわ細野さんみたいなカントリー・アルバム?と一瞬心配したがそんなことはなく,やはりどこで録音してもカテゴライズ無用のレイ・デイヴィス印の鳴った瞬間にヴィンテージとなりそうなサウンドであることは変わりない。それでもとりあえず前作に色濃かったいかにもイギリス的なひねり具合(それも単純に音が,というレベルでなく音楽の作り方そのものがストレートでない感じ。それ故に鈴木慶一にもこんなソロアルバムを作って欲しいものだと夢想したりもしたのだがね)が,幾分素直になってるような気もする。そういう意味では前作以上にリスナーの間口は広くなるかもしれないが,個人的にはやはりブリティッシュな香りの強い前作のほうが好みかな。

本国ではThe Sunday Timesの付録として10曲入りヴァージョンのCDを付けたそうで,こういうプロモーション流行ってんのかね。それとも我らがPrinceに対するささやかな連帯感の表明だったりして。

2007/12/13

TITLE:「 トニー滝谷 

トニー滝谷トニー滝谷
(2007/12/12)
坂本龍一

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この映画を初めて観たときの静かな感動を思い出す。サントラが発売されないのでDVDを流しっぱなしにして音楽を聴いていた。こういう美しく切ない旋律を書かせたらやはり坂本龍一は世界一だと思う。衣装室で足を投げ出して呆然とした表情で座り込む宮沢りえちゃんのジャケ写を見ているだけで,或いは裏ジャケの本当に愛する者を失った欠落感の大きさに為す術もなく横たわるイッセー尾形の姿に,自分もこの映画の主人公たちと同じように,これまでの人生で失ってきたものの大きさを改めて思い知るような気持ちになる。失ったときは特に意識しなかったものが,実は二度と手に入らない種類のものであったことに気付いて途方に暮れる感じ。こうしていくつもの喪失感とともに(もちろん手に入れたものもたくさんあるのだが),これからも生きていくことへの絶望的なまでの孤独感。同じモチーフが繰り返される「Solitude」という美しいメロディ。数ある坂本龍一の映画音楽の中で,最も映画のテーマおよび映像そのものに寄り添うことのできた傑作。そしてそれ故に映像とともにいつまでも生きることのできる音楽。だと思う。

SILK
そして同時に発売されたカナダ=イタリア=日本で共同製作された来年公開の映画のサントラ。こちらは比較的最近の坂本龍一のイメージ通りの音。悪くはない。2枚同時に買うと「SILK」のオーケストラ録音風景を収めた画質イマイチの短いDVDが付いてきます。特に必見というほどのものでもない。

2007/12/12

TITLE:「 CINEMA RETURNS 

CINEMA RETURNSCINEMA RETURNS
(2007/12/05)
シネマ

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冗談のようなジャケのイラストはともかく何が感心するかって26年振りのセカンドアルバムなのに,一聴した印象が普通にファーストと地続きな感じがして何の違和感もないということだ。この人たちは年を取っていないのか。もちろん2007年仕様の洗練された音ではあるし,メンバーの声の表情もそれなりに変わっていて,何もかも当時のままと言うわけではない。しかし何と言うかメロディに対する対峙の仕方が相変わらずなのである。ポップであるためにはいささか大げさな言い方だがプレイする側がいかに死力を尽くしていたとしても,それをリスナーに感じさせては言うまでもなくダメなのである。あらかじめ聴き捨てられることを覚悟した潔さが根幹にある,ポップという名の音楽の在り様。そしてそれを作る側が病的に偏執的にそれにこだわるからこそ,ポップに宿命的にまとわりつくどこか退廃的な香り。それが人を夢中にもさせ,そしてどこかで人をダメにもしているのかもしれんよなぁと,こういう音楽を聴くとあらためて考えてしまう。などとわけの分からぬ御託を並べることなく,純粋に気持ちの良いメロディを楽しめばいいことは分かってるんだけどね。それにしても26年ぶりにアルバム作るとなるとそれなりに力が入るんじゃないかと思うのだが,その辺りの重さを微塵も感じさせないところがまたこのアルバムの素晴らしいところである。これこそが鈴木慶一のプロデュースの技か。

個人的には鈴木さえ子さん(このアルバムでは「左衛子」表記になってるようだが,かなの方が良いと思うんですよ)のヴォーカル&コーラス聴いてると妙に甘酸っぱい気持ちになります。歌もののソロアルバム出して欲しい。それからこれはどうでもいいことですが,このアルバムでの松尾清憲氏の書く歌詞って,妙に森雪之丞チックじゃないですかね。


2007/12/07

TITLE:「 pieta 

pieta pieta
福原まり (2007/11/18)
インディーズ・メーカー
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福原まりさんと言えば元Shi-Shonenだ。Shi-Shonenのアルバムはどれも名作だが1枚選ぶなら発売から20年,未だに涙腺刺激されまくりの名盤「DO DO DO」だ。そして福原まりさんと言えば元Real Fishである。この冬めでたくReal Fishの全音源を集めたBOX「遊星箱」が発売されるとのことで実はまだ入手出来ていないが慶賀の至りである。Amazon大丈夫だろうな。そして知名度はやや落ちるが元Fisherman Tit Totでもある。1枚きりのアルバム「The Instant Fishermen」はこれもいまだによく聴く名盤である。CDが入手可能かどうかは知らないが,iTunesでは購入できるようで何より。

そんな福原さんのソロアルバムである。21世紀の宮廷音楽と呼びたくなるような濃密で趣味的でオリジナルな音空間。ピアノをメインとしたインストルメンタル・アルバム(一部ヴォーカルあり)。しかしこうした音が相応しいサロンのような空間が現代にあるとしたら,もはや個人の部屋しか残されていないだろう。大勢で聴く音楽ではないし,車の中が似合う音でもない。多分に映像的な音楽だが,日常生活のサントラにはなり得ない。夜に部屋の灯りを消してじっと聴き入るような,そんな特別な聴き方をお薦めします。映画「白椿」のテーマ曲収録。間違いなく10年後も聴ける音。個人的には今年度のベストアルバム。