本とCDの日々(仮)
2008/05/27

TITLE:「 音のブーケ 

「音のブーケ」大貫妙子カヴァー集「音のブーケ」大貫妙子カヴァー集
(2008/03/02)
オムニバスDOIS MAPAS

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これも発売されて日が経っているが、どこのレンタルにも入らないのでとうとう購入。ご覧の通りジャケットは美しいです。参加しているメンツは申し訳ないことに聞いたことのない人がほとんどだが、まあ今どき大貫さんのカバーをやるとなったら誰もが予想するとおりのアコースティックで静謐で上品な音。全然悪くはないのだが、最近はともかくかつての大貫さんの持ってる毒というかシニカルな側面をうまく掬い上げるキャラが何人かいれば、もう少し中身の濃いアルバムになったかもしれない。WOWOWで大貫さんと土岐さんめあてに「Ever Green Music」のライブを見たが、具体的な言動がどうということではなく、身の程を知らぬ人間には徹底的に皮肉屋なところと江戸っ子っぽい過剰なサービス精神を併せ持つ人という大貫さんに対する個人的な印象は変わらない。残念ながら声質的には若い頃の艶というか輝きは望めないかもしれないが、ソングライターとしての才能を改めて評価するためにも、さらに充実したカバーアルバムが企画されてほしいと思う。

飯嶋和一「始祖鳥記」を読む。もはや説明不要の大傑作。読みながら何度も泣く。現実の生活を窮屈なものに感じ、空を飛ぶことを夢見る表具師幸吉の物語はもちろん、サイドストーリー的に語られるエピソードがどれも泣かずにはおられない話ばかりなのだ。すでに文庫化されてからも5年以上、その際にとりあえず買ってはいたものの、こんな上等の小説を今まで読まずにいたなんて勿体ない。